「死はすぐそばに」 (原題 : 「Close to Death 」 ) (実名の地名・レストラン名などを使った虚々実々のホーソーン・シリーズ 第5弾!)
kindle(含Unlimited)版で読む 海外の本格ミステリー小説
① 主に、海外の本格ミステリー小説のレビューを書いてるシリーズです。ジョン・ディクスン・カーの小説をkindleで読んで記事に書いてきました。いわゆる古典的な方と、他にもその時その時に、人気のあるベストセラーなどの新刊分も時折入れています。その小説を原作にした映画・ドラマも好きです。でもkindle版がない時はやむなく・・・。どうしてもの書店買いの場合もありえます。よろしくお願いします。
[A] 探偵ホーソーン(Hawthorne)シリーズ第5弾 〜 概略です
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死はすぐそばに ホーソーン&ホロヴィッツ・シリーズ (創元推理文庫)
a-1 web版 「東京創元社」公式サイト による内容紹介
アンソニー・ホロヴィッツ著 「死はすぐそばに」訳 : 山田蘭 「ホーソーンとホロヴィッツ」シリーズ第5弾(web版 「東京創元社」公式サイト による内容紹介 ただし短く略しています)
『ロンドンはテムズ川沿いの高級住宅地で、金融業界のやり手がクロスボウの矢を喉に突き立てられて・・(中略)・・あらゆる期待を超えつづける(ホーソーン&ホロヴィッツ)シリーズ第5弾!』
a-2 (ポイント) 本作は「犯人当て」、しかし、複雑な背景が・・・?
②-1 本格ミステリーと言っても、「誰が?」「どうやって?」とかいろいろ分野がありますし、シリーズ物でも「近代的ビル」やら「陸の孤島」が舞台になった「密室物」もあります。本作は「本人当て」がメインですが、登場人物たちの横顔はけっこう複雑です。
②-2 本シリーズでは探偵役は「ホーソーン」で物語を進めるいわゆるワトソン役は「(作家の実名を使った)ホロヴィッツ」となっていますが、第5作となる本作では少し変えて、ホーソーンと組むのは彼のかっての相棒の「ジョン・ダドリー」となっています。
②-3 本作では『密室殺人』の設定も出てきます。当然そこで「ジョン・ディクスン・カー(John Dickson Carr)」の名前が出てきています。驚くのは、その後で、日本の本格ミステリー小説作家の名前も出てきます。「島田荘司さん(代表作『占星術殺人事件』に続く御手洗潔シリーズ第2作めで『斜め屋敷の犯罪』。ある館で起こる連続密室殺人事件を描く」と「横溝正史さん(作品名は『本陣殺人事件』)」です。
a-3 献辞など
②-4 本の出だしで、「登場人物」、「目次」、などと続いた後に「ピーター・ウィ・・・の(以下略)」とあります。
a-4 巻末には 「解説」があります
②-5 巻末には「古山裕樹」氏による『解説』があります。シリーズ1作目「メインテーマは殺人」から「本作」までのかんたんな解説があります。ちなみに「古山裕樹(ふるやま・ゆうき)」さんは大阪府出身の書評などを書かれている方で『このミス』で親しまれている『このミステリーがすごい!』大賞の選考のための審査委員などをされていて、『ミステリマガジン』などに書評・解説を執筆されている方のようです。
②-5 著者A・ホロヴィッツの構想としては、全部で10作程度を想定しているらしいです。ということでホーソーン物は続き、次作は「Hawthorne 6 」ということで、その情報もネットの情報によれば「coming soon(もうまもなく)」らしいです。
②-6 ホロヴィッツの奥さんはご存じの通り、TV界のミステリードラマ(『アレックス・ライダー』シリーズや『刑事フォイル(原題 : Foyle's War)』、そして、もちろん『カササギ殺人事件』や『ヨルガオ殺人事件』など)のプロデューサーの「ジル・グリーン(Jill Green)」さんです。巻末にあるように「TVドラマ制作会社 イレブンズ・アワー・フィルムズ」を経営されているようです。日本では、WOWOWなどで「カササギ殺人事件(Magpie Murders)」も放映されており、たぶん今後も放送があると推測しております。
②-7 アンソニー・ホロヴィッツ(Anthony Horowitz、CBE)の公式ウェブサイト(official website)はこちら
こちら → https://anthonyhorowitz.com
a-6 出版情報
②-8「死はすぐそばに(Close to Death) Kindle版」、アンソニー・ホロヴィッツ(Anthony Horowitz)著 (創元推理文庫 山田蘭訳) 。
[B] ネタバレなしの超ミニあらすじ
③-1 出版社の編集者「ヒルダ・スターク」から『次作原稿』の早期の執筆を念押しされたミステリー作家「(作品の中の作家)アンソニー・ホロヴィッツ」。だが、調べてみても、最近ホーソーンが解決した(小説のネタとなるような)事件はなかった。困ったホロヴィッツは、かっての事件からホーソーンが選んだ事件についての資料などを送ってもらえるよう頼んでみた。
③-2 すると、数日してホーソーンから山のような事件の経過・資料・音声ファイルなどが送られてくる。(やっと、きたかあ!) それらは事件当時のものをホーソーン自身が再構成して残しておいたもの。ある意味、生々しい事件の『空間』を創り出していた。 そこでホロヴィッツは『現実のホーソーンの事件資料』をもとに、想像力と創造力を駆使(くし)して資料の隙間(すきま)を埋めつつ、原稿を書き始めるが・・・そこには驚くべき事件が待っていた!
③-3 場所はテムズ川沿の高級住宅地『リヴァービュー・クロース』の区画の中の6軒の家。そこでは長年にわたる信頼関係である意味暖かく、ある意味穏やかに、ゆっくりとした時間の中で人々の生活は繰り返えされてきていた。そこに起こったたった1つのこと。それが、大きな揺(ゆ)さぶりとなって、人々の生活と人生に影響を与えだした。
+Googleマップ 「 テムズ川 イギリス (River Thames)」
③-4 何が起こった? そこに新たな一家が転入してきたのだ。その金融関係『ヘッジファンド・マネジャー』の「ジャイルズ・ケンワージー」の一家は、静かな水の上にとてつもない嵐(あらし)を呼んでいた。本人、奥さん、子供たち・・・彼らが巻き起こす騒動。今まで何の問題もなく『区画の中』で生活していた人々は、だんだんと「いらついて」きつつあった。そして、それはジャイルズの『(その区画内で) プール建設計画』というものを考えた時には最高潮に達した。「プールですって?」、「な、なにぃ、プ、プール! 」、「何かの聞き間違いじゃあ?」、「お風呂のこと?」、「ヘッジファンド・マネジャーってプールを作る人なの?」、「私、まだプーウって食べたことないわっ!」。
③-5 しかし、ある人物を殺害せんと考えた者(あるいは衝動的?に思い付いた者)にとっては『クロスボウ』により惹(ひ)きつけられた。普通の弓矢より安定性と命中度があがる。台座に弓さえ置けば、引き金(トリガー)を銃のように引くことで、後は引いた弦の力で飛び出して相手に向かって行くのだ。(ミサイルの手動型みたいなもの?)
③-5 しずかな時間を割(さ)くように、クロスボウから放(はな)たれた矢が、ある人物の喉(のど)に向かっていた・・・きゃ〜〜〜!
[C] シリーズを通じて登場する主人公たち (出ない場合もありますが書いておきます)
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死はすぐそばに ホーソーン&ホロヴィッツ・シリーズ (創元推理文庫)
④-(a) ホーソーンとホロヴィッツとその家族など身近な人たちのみ
④-1 ロンドン警視庁(かってのスコットランド・ヤード)の顧問。元刑事の私立探偵で、現在はアンソニーに本に残す記録を依頼してコンビを組み事件解決にあたる。が、あまり自分のことは話さない男。住んでいるのは不動産業者の「半分だけ血のつながった兄のようなもの」の人から家主の留守の間、管理人として預かっているという、ロンドンの自宅は低層アパートメント『リヴァー・コート』の最上階の空間を占有している。 : ダニエル・ホーソーン
④-2 (今回は登場しないが話題として出てくる人物 )インド映画のスターさながらの整った顔立ちの、ホーソーンの部屋の階下に両親とともに住む筋ジストロフィーのために電動式車椅子に乗っている青年。ハッキングも得意でホーソーンを助けている。アンソニー・ホロヴィッツのDNA検査がランベスにあるロンドン警視庁の法科学鑑定研究所でコンピュータ障害が起きて翌日に延期となったのに関係? : ケヴィン・チャクラボルティ
④-3 ホーソーンと組んで難事件を解決する、本作のワトソン役を兼ねる作家の「わたし」 。住んでいるのは「クラーケンウェル」の自宅 : アンソニー・ホロヴィッツ
④-4 アンソニー・ホロヴィッツの妻(実際の妻と同じ設定。職業はTVドラマ・映画などのプロデューサー。たとえば、TVドラマ作品「かささぎ殺人事件」「刑事フォイル」などのプロデューサーとして知られている。だいたい脚本はホロヴィッツも時々関与)。 : ジル・グリーン
④-8 (本作で登場)ホーソーンの助手 : ジョン・ダドリー
[D] 本作「死はすぐそばに」の主な登場人物
(5-1) 最初の被害者 / その次の被害者たち
⑤-1a 最初の被害者 : ?
⑤-1b その次の被害者たち : ?
(1) 『厩舎(きゅうしゃ)』の住人 アダムの関係者
(馬並なのね〜!)
⑤-2a 『厩舎(きゅうしゃ)』の住人で チェスのグランドマスター : アダム・シュトラウス
⑤-2b その妻 : テリ
⑤-2c アダムの前妻 : ウェンディ・シュトラウス
(2) 『庭師の小屋』の住人 トムの関係者 (ベレスフォード家)
⑤-3a 『庭師の小屋』の住人で 医師 : トム・ベレスフォード
⑤-3b その妻 宝石デザイナー : ジェマ
⑤-3c ベレスフォード家の子守 : カイリー・ジェーン
(3) 『井戸の家』の住人 アンドリューの関係者 (xxx家)
⑤-4 『井戸の家』の住人 元法廷弁護士 : アンドリュー・ペニントン
(4) 『切妻の家』の住人 メイの関係者 (xxx家)
⑤-5a 『切妻の家』の住人 書店経営者 : メイ・ウィンズロウ
⑤-5b メイの同居人 : フィリス・ムーア
(5) 『森の家』の住人 ロデリックの関係者 (xxx家)
⑤-6a 『森の家』の住人 歯科医 : ロデリック・ブラウン
⑤-6b ロデリックの妻 : フェリシティ(フィー)
(6) 『リヴァービュー館』の住人 ジャイルズの関係者 (xxx家)
⑤-7a 『リヴァービュー館』の住人 ヘッジファンド・マネージャー : ジャイルズ・ケンワージー
⑤-7b ジャイルズの妻 : リンダ
その他の関係者
⑤-20a フランス語教師 : ジャン・フランソワ
⑤-20b トムの患者 : レイモンド・ショー
⑤-20c カイリーのボランティア先の老婦人 : マーシャ・クラーク
⑤-20d 『フェンチャーチ・インターナショナル』の最高経営責任者: アリステア・モートン
⑤-20e フェリシティの介護士 : ダミアン・ショー
⑤-20f 庭師 : サラ・ベインズ
(5-5) 当該事件の警察の捜査関係者
⑥-1 警視 : タリク・カーン
⑥-2 巡査 : ルース・グッドウィン
⑥-3 かってのホーソーンの上司 : イアン・ラザフォード主任警部
(5-5) 犯人
(100) 真犯人 : ?
[D] アンソニー・ホロヴィッツ(Anthony Horowitz)のミステリーのシリーズについて
以下は、ホロヴィッツの主にミステリー小説の今までこのブログで記事にしてきた本とその広告です(画像をクリックするとAmazonの商品詳細画面にいきます)。本作の 「探偵ダニエル・ホーソーンとアンソニー・ホロヴィッツ」シリーズ以外にも、超人気のベストセラーシリーズ(いずれも日本でも人気のミステリーの上位に入っている)があります。それを並べてみました。
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㊺-2-a 「カササギ殺人事件(原題 : Magpie Murders )」 (創元推理文庫 山田蘭訳)
㊺-2-b 「ヨルガオ殺人事件 (Moonflower Murders) 上下巻 Kindle版」、アンソニー・ホロヴィッツ(Anthony Horowitz)著 (創元推理文庫 上下巻 山田蘭訳) 。
㊺-2-b 「メインテーマは殺人(原題 : The Word Is Murder )」(創元推理文庫 山田蘭訳)
(ホーソーンとホロヴィッツのシリーズ第1です。)
㊺-2-c 「シャーロック・ホームズ 絹の家(原題 : The House Of Silk ) (角川文庫 駒月雅子訳)
(次の 「モリアーティ」と対になってて、絹の家が上巻みたいな感じですが完結はおのおのしています)
㊺-2-d 「モリアーティ(原題 : Moriarty )」 (角川文庫 駒月雅子訳)
㊺-2-e 「その裁きは死(原題 : The Sentence Is Death )」(東京創元社 山田蘭 訳)
(ホーソーンとホロヴィッツのシリーズ第2番目です。)
㊺-2-f 「殺しへのライン(原題 : A Line to Kill)」(東京創元社 山田蘭 訳)
(ホーソーンとホロヴィッツのシリーズ第3番目です。)
㊺-3 (kindle版ではなく文庫版です)その他の分野では、イアン・フレミング財団公式認定の最新の小説「007 逆襲のトリガー(Trigger Mortis)」(角川文庫、駒月雅子訳)。2020年秋公開予定の最新ボンド映画「ダニエル・クレイグ主演のNo Time To Die」の原作ではありません。また、近い将来、もう1冊といううわさもあります。
㊺-4 海外TVドラマシリーズ「刑事フォイル(原題: Foyle's War)」などの脚本担当としても知られている。
その他の情報 〜 映画・TVドラマ化など
8月中旬に日本でも、TVドラマ化された作品「Magpie Murders(2022)」が1つ放送されています。
脚本はアンソニー・ホロヴィッツご本人で、プロデューサーの1人(executive producer)は奥さんの「ジル・グリーン(Jill Green )」さん。WOWOW 「英国ミステリー「カササギ殺人事件(全6話)」」本(2022)年、8/17(水) と8/18(木)の2日連続で、それぞれ3話続けての連日放送しました。それぞれドラマ用のサブタイトルもついているようです。他の作品のドラマ化や続きについては、まだ私は情報を把握していません。
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以上です
ではまた!