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広告 reading(読書) アンリ・バンコラン ジョン・ディクスン・カー 海外本格ミステリー(古典)

蝋人形館の殺人  ジョン・ディクスン・カー H・B(2) 海外本格ミステリー小説(古典)

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ジョン・ディクスン・カー著  アンリ・バンコラン(Henri Bencolin) シリーズ(2)

舞台はパリ! 「蝋人形館の殺人 」

 本記事は アンリ・バンコランの長編の第2作め 〜  kindle(含Unlimited)版で読む

[A] ネタバレなしの 超ミニあらすじ (関連するGoogleマップなどは「あらすじ」の後辺りにあります。多少、文章は時間軸も含めアレンジしておりますが)

①-1 (舞台は、『モンマルトル』から『ブールヴァール・ドラシャベーユ』へかけての『夜の盛り場』からパリで一番古い蝋人形の陳列館『オーギュスタン』そして謎の『マスク・クラブ』移ります)

Googleマップのパリ周辺

①-2 いつも難事件の時は『(例の)タキシード(燕尾服、夜会服)と外套とシルクハット』を着て捜査の陣頭指揮をとるパリ警視庁の「予審判事 バンコラン」、そしてその相棒とも言うべき「私(物語の進行役、ワトソン役) ジェフ・マール」は 今夜つまり10月のある晩、そんな『夜の盛り場』の中の、一店の薄暗い隅っこのテーブルに座っていた。彼はスーツを着ている。緊急事態の状況下ではないようだった。

①-3 その店は、『ボルト・サンマルタン』あたりの『あるナイトクラブ』。時間は夜12時頃。楽団の演奏するタンゴに合わせて青いスポットライトが照らす円の中で足を踏み鳴らして踊り子たちがはげしく動く間、アコーディオンの揺れる合間をみはからって立ちこめる煙に眼をしばたたせながら私たちは大声で注文した「ブランディー 2つ!!」。

①-4 そこでバンコランは言った「ジェフくん、あっちのテーブルに座っている男」。私がそっと視線をすべらせると、そこには両脇に女をはべらせて笑う黒い髪で大きなあごの男がいた。そこへ小柄な老人がやってきて私たちは別の小部屋に移った。話をしている間に、さらにもう1つのドアから別の部屋に入った。そこで1人の若い男が立ち上がって私たち3人を迎えた。最初の小柄な老人がパリで一番古い蝋人形の陳列館『オーギュスタン』館長、そしてこの若い男が2週間ほど前アフリカからパリへと戻ってきたフランスの軍人らしさを体現する「ショーモン大尉」である。

①-5 そこで、ショーモン大尉は私たち、とりわけ 陳列館のオーギュスタン館長に向かって『ある事件』の顛末(てんまつ)を話しはじめた。バンコランは時折話の内容を補足説明した。ショーモン大尉の話す内容は驚くべきものだった。一方、オーギュスタン館長は早く陳列館を閉めるため娘の「マリー」に後を任せてここに来たのだった。彼は何の話をしているのかさっぱり要領を得ないとばかりに目を白黒させながら質問に応じている(うちの陳列館にあるのはナポレオン、フランス革命の指導者マラー、ルイ16世などなど歴史上有名なものばかり。でもこの写真の女は・・・見たことは・・・はて? ええ。うちは夜は8時から12時まで開館しており・・・)。

①-6 ショーモン大尉はあの日、前大臣の娘「婚約者 オデット・デュシェーヌ」と「彼女の友人 クローディン・マルテル」と3人でお茶の約束をしていた。その日、オデットは4時にはその約束をドタキャンしオーギュスタン陳列館に入っていった。気になって後を彼女の自宅から追いかけてきたショーモン大尉は彼女を待っていたが彼女は出てこなかったと言うのだ。だが、館長は館の出入り口はもう1つあって、そこからは外の小路に出られるようになっていて壁の外から照明を調節しているという。

①-7 「夜毎に生まれ変わる生と死の間(はざま)に行き来する蝋人形たち」、「モンマルトルのクリシー街で点滅するナイトクラブの灯(あかり)」、「ムーラン・ルージュの赤い風車」、「謎の男の白い猫」、「オーギュスタン館の青い入場券」、「ちぎれた首飾り」、「歩くルシャール夫人」、「マスクの色は何の区別?」 、 「路地に落ちたハンドバッグと血と何かの破片」、「階段にたたずむ(人間に似た怪物)セーヌ川の獣人」、「通路でつながっている中庭にあるプロムナード・ホール」、「剣をふりかざすダルタニアン」、「番号を付けられた銀の鍵と部屋」。

①-8  陳列館の別の出入り口から出ていった「背が高く、黒い髪、青い目の女」。ナイトクラブで歌う女性。「茶色の帽子」をかぶった謎の女。セーヌ川に浮かんだ女性の死体。「赤い滴りと腕時計」。陳列館で1人待っていた娘。「アンリ・バンコラン」とアメリカ人の友人の若い「ジェフ・マール」は複雑にからみあった事件の影に1人の邪悪な男の影を見ていた。やがて暗く陰湿な建物の2階のある1室の窓から1人の人が飛び出していく・・・(うわ〜〜!)

[B] 本作の主な登場人物  (書籍によっては、登場人物の名前に多少の違いがあることもあります)  (採番②と③と④と⑤を分類上必要なら使う)

(a) パリで一番古い蝋人形の陳列館『オーギュスタン』の関係者

②-1 パリで一番古い蝋人形館の陳列館を21年間続けている、小柄な老人の館長 : オーギュスタン

②-2 現在年老いた父親の代わりに実質上この館を切り盛りしている、その娘 : マリー

(b) オデット の 関係者

②-3 前大臣の娘  : オデット・デュシェーヌ

②-4 その母親 : デュシェーヌ夫人

②-5 オデットの幼馴染みで『マスク・クラブ』の銀の鍵『19』を持つロンドンのフランス大使館員の男 : ポール・ロビケー

②-6 アフリカから約2週間前にパリに戻ってきたオデットの婚約者で「オデットとクローディン・マルテルの3人での茶の予定をオデットがドタキャン」したのを不審に思い彼女を追いかけて「館」の前まで来た男 : ショーモン大尉

②-7 デュシェーヌ家の女中 : リュシー

(c)  オデットの女友達クローディン・マルテルの関係者

②-8 同じ家に住みながらも両親とは少し距離を置いて自由に生活している、オデットの友人の女性 : クローディン・マルテル

②-9 クローディンの父、軍人(片腕をなくしているが元気)で伯爵、賭け事が好き : マルテル大佐

②-10 耳がやや遠いが読唇術で話を理解する、クローディンの母でマルテル大佐の妻 : マルテル夫人

②-11 クローディン家の門番小屋の老人 : ?

②-12 同、下男 : アンドレ

②-13 クローディン・マルテル大佐夫妻が毎月1回、カルタに招かれる友人 : セランヌ侯爵

(d) オデットの友人ジーナ・プレヴォーの関係者

②-14 オデットの友人で歌手でムーラン・ルージュの舞台に立つ歌手を夢見る女 : ジーナ・プレヴォー

(e)  「マスク・クラブ」の関係者 (名前が不明な場合は?になっています)

②-15  H・Bとは深い因縁のあるマスク・クラブのオーナー(経営者)の男 : エチェンヌ・ガラン

②-16 彼の飼っている白猫 : マリエット

②-17  ガランの召使い : ?

(z)  本件の捜査関係者

④-96 H・Bの命により、事件に関係していると思われるある重要な人物を尾行している、パリ警視庁の刑事 : プレーゲル

④-97 H・Bが今回の事件の捜査の総指揮官を命じたパリ警視庁の警部 : デュラン

④-98 本作のワトソン役(語り部、シリーズ中の『四つの兇器』を除く)でありH・Bの友人の息子であるアメリカ青年 : ジェフ・マール 

④-99 主にフランスのパリで活躍する、大事な捜査の時は『(例の)タキシード(燕尾服、夜会服)と外套とシルクハット』を着る予審判事で名探偵の男 :  H・B(アンリ・バンコラン)

[C] 本作について (採番は⑥〜)

⑥-1 原題は「The Corpse in the Waxworks (1932)」。パリでは『グレヴァン美術館(仏語 : Musee Grevin)』の蝋人形館(ろうにんぎょうかん)がとても有名らしいです。余談ですが、蝋燭の蝋という漢字は虫偏(へん)になっています。なぜでしょう? 調べていたら『Yahoo 知恵袋』に質問が出てて、その回答は「蜂の背油」とか「ミツバチの巣から採れる蜜蝋」だとかありまして、さらに「和ろうそく」や西洋の「洋ろうそく」の区別もあるようでして、大変興味深いです。

⑥-2 概して、ジョン・ディクスン・カー(John Dickson Carr、別名義カーター・ディクスン Carter Dickson)の作風としては、「犯人は誰か?」だけでなく、『どうやってそれを成し遂げたか?』というところが、作品によって顕著な場合があります。

⑥-3a 「蝋人形館の殺人(The Corpse in the Waxworks) Kindle版」、ジョン・ディクスン・カー(John Dickson Carr)著 (オリオンブックス 妹尾アキ夫訳)。ちなみに、「オリオンブックス」はデジタル書店。

⑥-3b 「蝋人形館の殺人(The Corpse in the Waxworks) 」、ジョン・ディクスン・カー(John Dickson Carr) 創元推理文庫 和爾桃子訳。

[D] H・B (アンリ・バンコラン Henri Bencolin)予審判事  シリーズ (採番は⑦〜)

アンリ・バンコランと言えばパリ周辺が舞台。ただし、『絞首台の謎』は英国が舞台、『髑髏城』はドイツが舞台となっている。『四つの凶器』では、パリの予審判事も引退している。

⑦-1 長編5作は1930年の「夜歩く(It Walks by Night)』から始まって次のとおり。

⑦-2 「絞首台の謎(The Lost Gallows)、1931』。

⑦-3 「髑髏城(Castle Skull)、1931』。(前回の記事分)

⑦-4 「蠟人形館の殺人(The Corpse in the Waxworks)、1931』。(本作)

⑦-5 「四つの凶器(The Four False Weapons)、1931』。

[D] フェル博士と H・M(ヘンリー・メリヴェール)卿シリーズ    (採番は⑧)

⑦-1 ジョン・ディクスン・カー(John Dickson Carr)」の人気作品には、いろいろな主人公(探偵役)が登場します。「アンリ・バンコラン(Henri Bencolin)予審判事」、「ギディオン・フェル(Gideon Fell)博士」、「警視総監直属D3課長マーチ大佐(Colonel March)、主に短編で登場」などです。事件が不可能犯罪や密室の場合は、時に「誰がやったか?」よりも「どのようにしてそれらがなされたか?」に重点が置かれる場合があります。

⑦-2 一方、別名義のカーター・ディクスン(Carter Dickson)で発表した作品では、「通称H・Mこと、ヘンリー・メリヴェール卿(Sir Henry Merrivale)」が主に活躍し、その彼が登場する長編第1作目は「プレーグ・コートの殺人(The Plague Court Murders)、別名 : 黒死荘殺人事件」ですが、こちらも人気の主人公です。このHMが主人公の場合も、フェル博士登場と同様に、事件が不可能犯罪や密室の場合は、時に「誰がやったか?」よりも「どのようにしてそれらがなされたか?」に重点が置かれる場合があります。(現在、出版物の検索などでは、いずれもジョン・ディクスン・カー名義で検索できる)。

⑦-3 現在、このブログでは、『フェル博士』の作品の記事が一通り終わりまして、新しく『通称H・Mこと、ヘンリー・メリヴェール卿』シリーズとして、まず順に続けております。その時点で「Kindle (含むUnlimited)」の本が出ていないなどの事情があれば、記事の枠だけ作ってスキップして次の作品に進み、後でKindle版が出てきた場合は、順番は後になりますが、いつか記事にする予定ではいます。別途、その際に新訳本などがあればそちらを読むこともあるかもしれません。

⑦-4 『通称H・Mこと、ヘンリー・メリヴェール卿(出版社によっては多少の表記の違いがある)』の経歴を簡単に書きますと、イギリスのサセックス生まれ。巨体で『内科医といわれるが医師』と『法廷弁護士』の資格を持ちながらも、第一次大戦中は『英国陸軍諜報部』の所属、戦後は情報部の所属となっている。初出は本書『プレーグ・コートの殺人(The Plague Court Murders)』です。

(備忘録) HB(アンリ・バンコラン)(2) (フェル博士とH・M卿の合計は45作だったので、通算で47作目)。なお、前述のように、出版されたアンリ・バンコランシリーズとしては、本作の前に2作あります(この2作につきましては、今は記事としては未定ですので、別途ふれることにしました)。

ではまた!

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