フランスのミステリー作家、ポール・アルテの人気作品
第3作『カーテンの陰の死』に続く、ツイスト博士シリーズの第10作が登場!
[A] 本作について (「Kindle (含むUnlimited)」で読む )
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①-1 著者はほぼ全作で、著者自ら認める『アガサ・クリスティ』と『ジョン・ディクスン・カー』の大ファンで、特にカーのような本格ミステリー小説を書いてられますので、そういう英国ミステリー・ムードにフランス風味が追加されて・・・という感じです、初めての人でも楽しめます。
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赤髯王の呪い (ハヤカワ・ミステリ) Kindle版
①-2 本作「赤髯王の呪い」は、フランスの本格ミステリー作家「ポール・アルテ(Paul Halter)」氏の長編小説の中の「アラン・ツイスト博士シリーズ」の第10作めです(1995年)。シリーズ第1作は「第四の扉」でした。本作の原題は「仏語 La Malédiction de Barberousse」、英語原題は「The Curse of Barbarossa」です。(wikiなどによる)
①-3 なお、kindle版の本作『赤髯王の呪い』には、短篇「死者は真夜中に踊る」、「ローレライの呼び声」、「コニャック殺人事件」が収録されておりますが、これら3つについては今回の記事では扱わないでおきます。
本作の探偵役について
①-4 探偵役には、2大探偵の1人 (1)「名探偵 アラン・ツイスト博士」です。
①-5 本記事の最後に書いてありますが、ツイスト博士は20世紀なかば頃の英国を主な時代背景として『ロンドン警視庁 ハースト警部』と協力して事件解決にあたります。したがって、地名や建物、衣装、交通機関(本作では『車』も出てきます)などはその時代に応じたものが出てきます。
①-6 かんたんな外見だけ描くと「ツイスト博士」は50才前後、長身そう躯で、ややくせのある白髪まじりの髪、血色の良い顔に褐色の立派な口ひげ。黒い絹の細紐を結んだ「鼻眼鏡」をかけている。瞳はうすいブルーです。(ネットで検索すると海外の書物などに絵が載ってたりします)。いつものコンビの『ロンドン警視庁 ハースト警部』は90kgあたりの巨体で、ちょっとした階段だとふーふー息をしています。髪は少し薄くなっている人物ですが、本作『赤髯王の呪い』には登場しません。
①-7 本作の主な舞台の1つとなります『アルザス地方(中心地ストラスブール)』はライン川沿いの平原地帯に広がる、フランス北東部に位置する歴史のある地域です。ドイツ、スイスと国境を接しており、何世紀にもわたってドイツとフランスとの複雑な関係が歴史上展開されてきまして、その影響は文化のみならず多方面にわたりますのは、本作の中でも書かれているところです。
Googleマップ フランス ストラスブール
①-8 本作のもう1つの舞台として登場するのは『アグノー』です。ストラスブールの北約35kmに位置しております。
Googleマップ アグノー
(ストラスブールとアグノーのおおよその位置関係)
献辞
巻頭には「セシルと・・・(後略)」とあります。
後書き、解説など
本作(kindle版)の場合は特に有りませんでした。
[B] ネタバレなしの超ミニあらすじ〜多少、文章は時間軸も含めアレンジしております
(舞台は、 1948年ロンドンと登場人物の1人の故郷「アルザス地方」周辺です。)
(また、いつものことですが・・・ネタバレしないようにしているつもりで、セリフや心の声などは、かなりアレンジしています。)
①-10 料理人「エチエンヌ・マルタン」は子供の時に起きた事件のせいで、いまでも突然ショックを受けて体調が変になり『幻影のような 悪夢のような』状況にとらわれている事態に陥(おちい)ることが多かった。そんな彼をささえる1人の女性が現れた。電話ボックス内でパニックになったエチエンヌを一晩中看護して助けてくれた天使のような存在「看護師(栗色の長い髪、ハシバミ色の瞳、25才くらい) フランシス・ゲイル」である。今は2人で親密さを増やしつつある途中にあった。
(画像 : 下地はPixabay、文字などは「いらすとや」さんから)
①-11 もう1人、エチエンヌの友人がいる。今その友人とロンドン病院にすぐ近くの『パブ ダーク・シープ』で待ち合わせをしている「赤褐色の髪の毛に立派な口髭、陽気な態度と繊細な心遣いの30才の看護師 スティーヴ・モリスン」。彼を待ちながら、窓の外を見ているとだんだんと霧が深くなってきた。登場するのは「(夏休みを両親の友人宅で過ごしにやってきていた某国の小柄な少女で)輝く金髪、黒いコート、気味の悪い帽子、そして小柄な体型 エヴァ・ミュラー」という美少女。エチエンヌの心は闇をさまよって・・・「古(いにしえ)から続く呪い・・・モデール川の岸辺の廃屋(はいおく)・・・亡霊?」・・・そこへスティーヴがやってきた「やあ! どうだい調子は?」
①-12 だけど、問題発生! 「アグノー局」から2日前に届いた兄「ジャン」の手紙。『ここ数週間父の様子がおかしいんだ・・・』。それをテーブルに座る看護師スティーヴに見せると彼は即座に実家に行ってくればと言い、難事件の解決してくる『アラン・ツイスト博士』を紹介してくれたのだった。名探偵が遅れて行くから心配するなと。
①-13 勇気づけられて実家に出かけることにしたエチエンヌだったが、スティーヴを待ってた時に思い出していた『少女』の事件が父親「ランベール」を悩ます原因のようだった。彼は物置小屋に入っていて顔が真っ青になっていたのを兄「ジャン」は見たと手紙に書いていた。
①-14 あの時・・・『廃屋(はいおく)』の小屋の前ではモデルを前に「画家 ウェンケル」がいた・・・ 小屋から出て行ったのは・・・そうだ! 「兄 ジャン」は釣具を持って『モデール川』に、「幼馴染みで今はジャンの妻マリー」と「マリーの兄で弓矢を持った フランソワ」とは川を渡ってその先の『森』へ向かった。途中でフランソワは離れ狩りに向かう。さらに、マリーは「準備してきた板」を持って「エチエンヌ」と離れ別のところへと動いた・・・「エチエンヌ」はと言うと? そう言えば『とても重たいリュックサック』で汗だくになって・・・なんでこんなに重いんだ?!
①-15 その時、小屋から誰かが飛び出した! そして悲鳴をあげている・・・「きゃ〜っ!」
[C] [ 本作の登場人物 (名前が不明などの時は「?」も使います)
c-1 エチエンヌとその親族
(マルタン家 側)
②-1 兄からの手紙に動揺を禁じ得ない、料理人。(アルザスのアグノー出身) : エチエンヌ・マルタン
②-2 最近、家の物置小屋に入ってから様子がおかしくなった、その父親 : ランベール
②-3 エチエンヌに2、3週間でいいから帰ってきてほしいと懇願(こんがん)の手紙を出した、故郷アルザス在住、 エチエンヌの兄(妻は、下のベシー家にあるマリー) : ジャン
(今はジャンの妻となったエチエンヌの幼馴染み : マリー・ベシー)
②-4 料理人としてのエチエンヌにある店を紹介した、エチエンヌの大叔父 : アルベール
(ベシー家 側)
②-10 今はジャンの妻となったエチエンヌの幼馴染み : マリー・ベシー
②-10-a ジャンとマリーの娘 : ナタリー
②-10-b 同じく娘 : クレマンティーヌ
②-11 マルタン家の隣人で、マリーの父親( ジャンと エチエンヌの義理の父) : レオナール
②-12 マリーの兄( ジャンと エチエンヌの義理の兄) : フランソワ
c-3 その他
②-20 エチエンヌが2年前の事故で入院した時の看護師で友人。30才、赤褐色の髪の毛、立派な口髭、陽気な態度と繊細な心遣い : スティーヴ・モリスン
②-21 酔った後のエチエンヌが電話ボックス周辺で経験した悪夢にうなされている時に、彼の自宅でほとんど一晩中看護してくれた看護師(栗色の長い髪、ハシバミ色の瞳、25才くらい) : フランシス・ゲイル
②-22 フランシス・ゲイルもいる時に、酔った後のエチエンヌを診察した医師(まるぽちゃの小男) : ?
②-23 画家 : ウェンケル
c-4 昔の事件の関係者
②-40 エチエンヌが子供の時、夏休みを両親の友人宅で過ごしにやってきていた某国の小柄な少女。ある事件に巻き込まれる(エチエンヌの他に、ジャン、マリー、フランソワとおのおのの家族も巻き込まれる) : エヴァ・ミュラー
c-5 参考
②-50 (参考です) ツイスト博士シリーズ第3作『カーテンの陰の死』で、下宿屋に住む「マージョリー・コンウェイ」に事件の謎の解明の助けにとツイスト博士を勧めた女性 : フランシス・マルタン
c-6 捜査陣
②-90 ロンドン警視庁の警部 40がらみで中々ハンサム : ハンフリー・マーストン
②-91 警察署長 : モーリス・シュテール
②-92 エチエンヌの実家で起きた事件の担当警部 : レーブ警部
②-93 同、検死医 : (? 名前は出てこない)
②-99 (名探偵) 非常に長身でやせてるがよく食べる、愛想のいい上品そうな物腰の60才くらいの白髪混じりのくせ毛で 鼻眼鏡のブルー・グレーの目をもつ犯罪学者 : アラン・ツイスト博士(Dr. Alan Twist)。
②-97 (今回は出てこない)ロンドン警視庁の警部(兼ワトソン役)。いつもなぜだか怪奇な難事件に遭遇してしまう巨体で50代の男。何かあるとツイストを頼る : アーチボルト・ハースト(Chief Inspector Archibald Hurst)
②-98 (今回は出てこない)同、警部。昔の事件に詳しく資料を早く見つけるので、ハーストとツイストの信頼は厚い : ブリグズ警部
[D] 出版情報 (採番は㊿から)
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赤髯王の呪い (ハヤカワ・ミステリ) Kindle版
㊿-1「赤髯王の呪い(仏語原題: La Malédiction de Barberousse ) Kindle版」ポール・アルテ(Paul Halter)著 (ハヤカワ・ミステリ 平岡敦訳)。ちなみに、英語原題は「The Curse of Barbarossa」となっています。
㊿-2 日本語翻訳本は、本年2023年1月25日付けの電子書籍版(いわゆる、ここではkindle版)で発売されたものです。訳者はアルテ氏のミステリーは変わらず「平岡敦」氏が担当されています。
㊿-3 著者「ポール・アルテ(Paul Halter)」氏は、フランスの本格ミステリー作家の1人です。とりわけ「ジョン・ディクスン・カー(John Dickson Carr)[またはカーター・ディクスン(Carter Dicson)名義]」の大ファンであることで知られています。そこからそのような『犯人が誰かというだけではなく、密室殺人も含めた不可思議な状況下での事件(不可能犯罪と呼ばれていることもある)と謎解き』という作風となり、2002年の『第四の扉』以来、3作連続『本格ミステリ・ベスト10』の1位に選ばれるなど日本のミステリー・ランキングでも有名な、また、人気の作家の1人です。
㊿-4 登場する探偵役には、2大探偵として、(1)「名探偵 アラン・ツイスト博士」、(2) 「美術評論家のアマチュア名探偵 オーウェン・バーンズ」がいます。 そして多分、(3) 「シリーズ物以外」に登場する他の名探偵たちもいることでしょう。
㊿-5 ツイスト博士もオーウェン・バーンズも両者とも主にイギリスで活躍しています。というのは、ツイスト博士は20世紀なかば頃を時代背景として『ロンドン警視庁 ハースト警部』と協力して事件解決にあたり、もう1人のオーウェン・バーンズも19世紀から20世紀へり移りかわりの頃を時代背景に、友人「アキレス・ストック」や『ロンドン警視庁 ウェデキンド警部』と共に事件の謎の解明にあたります。そこに著者のフランスの香りが加えられているだろうということで、もし2人をTVドラマ化したら、建物や衣装や車などはちがっているし、そういう状況下では、たとえ事件の謎や密室の構図は似てるとしても雰囲気はちがって見えると思われます。
今回はここまでで、続きは次回です!(別の作品になります)
ではまた!