おすすめ本 「白い僧院の殺人」カーター・ディクスン著
「密室もの」の(古典的)海外本格ミステリー小説
「白い僧院の殺人」には、別途、新しく書いた記事がございます。より「ミニあらすじ」や「登場人物」を記載した記事になっておりますので、そちらをご覧いただけるとうれしいすです。
① カーター・ディクスンは、「ジョン・ディクスン・カー(John Dickson Carr)」の別名義で、不可能犯罪、特に『密室トリックもの』の巨匠です。その密室物の中でも、初期の傑作として知られているのが本作です。『封鎖(あるいは密閉)された状況にある現場』、降雪と雪の降り止んだ時間帯などでさらに状況は複雑か化。さらに〜、どうやってその行為はされたのか? 犯人は誰か? 探偵役は自然と時間で出来た一見不可能と見える事件をどう解くのか?
② 今回の探偵役は、「英国政府高官で、事件の捜査の天才」と呼ばれるH・Mこと「ヘンリ・メリヴェール卿(Sir Henry Merrivale)」です。ちなみに、彼の風貌(ふうぼう)などはかの有名な英国首相「ウィンストン・チャーチル卿(Sir Winston Churchill)」がモデルとされています。
④ [ネタバレなしの超ミニあらすじ〜多少、文章はアレンジしております] 12月のある日の夜中、外交官「ジェームズ・ベネット」は車の光の輪だけが雪の中で進んでいくのを感じながら、人気女優「マーシャ・テート」のいる建物『白い僧院』になんとか眠い目をこすりながら到着した。池も凍っていた。彼は思った、(不気味で心臓のドキドキがとまらない!)。彼がさらに進むと・・・。
③ 「事件現場のマップ」というか「建物の構造図」などを書いて、「ああでもない、こうでもない」と頭をひねってみても中々わからない。「人物相関図」を作って眺めても、登場人物はみんな怪しくみえる。雪の時間帯は正確か? 探偵が回答を出す前に何度か読み返す構え。後の展開が気になって気になって、読み出すと主人公によって謎が解決されて納得できるまで寝られませんよね。たいていはその日の仕事や家事を全部片付けてから、(頭の中で)、暖炉とコーヒー(紅茶)またはウィスキー(ワイン)とサンドウィッチ(茶菓子)とベッド(ソファ)を描いて準備して、さらに雪も追加して、という予定を立てて読みはじめます。
④ 本格ミステリー小説の中でも特に『密室もの』がお好きな方は、もう一人の人気の探偵役のギデオン・フェル博士(Gideon Fell)が登場する「三つの棺(The Three Coffins)」での有名な「密室の講義(The Locked Room Lecture)」の章が楽しめます。
⑤ 「白い僧院の殺人 (原題 : The White Priory Murders ) カーター・ディクスン( Carter Dickson) 著」 ( 創元推理文庫 厚木 淳 訳)
⑥ ちなみに、昨年(2019年)の6月頃、同文庫で「新訳版」が出ているようです。「白い僧院の殺人 (原題 : The White Priory Murders ) カーター・ディクスン( Carter Dickson) 著」 ( 創元推理 高沢治 訳)
ではまた!