代表作の1つが登場です kindle版があります
「火刑法廷(The Burning Court)」 ジョン・ディクスン・カー (1937)
[A] どんな作品? kindle版がありでの、ノン・シリーズ(3)
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火刑法廷[新訳版] (ハヤカワ・ミステリ文庫) 文庫 – 2011/8/25
1. 簡単な紹介
①-1 海外本格ミステリー小説のジョン・ディクスン・カー関連記事では、現在「ノン・シリーズ」の長編版を順番でご紹介しています。本作の場合はkindle版に基づいての記事になっております。「邦文kindle版(邦訳版)がない場合は「仮記事」で簡単なおおよその推測であらすじなどを紹介しているだけです( 11/13現在、仮記事は「ノン・シリーズ 九つの答」まで載せています)。
2. どんな感じの物語?
(舞台は、1929年春頃のアメリカ、フィラデルフィア郊外の『ハヴァフォード』の次の駅『クリスペン』周辺です)
(ちなみに、『ハヴァフォード』と言えば、著者ジョン・ディクスン・カーが通った私立大学『ハバフォード大学(Haverford College)』があります。場所はフィラベルフィアから5km西に離れたハバフォード市にあります)
(Googleマップ 現在のアメリカ、フィラベルフィアの西ハヴァフォード(ハバフォード大学)付近
(①-2) NYの出版社に勤める「編集者 エドワード・スティーヴンズ(以下、通称 テッド)」は、週末のある日「 編集長 モーリー」から『ある人気作家』の最新作原稿を読んできてと言われます。
(①-3) 彼は週末を「妻 マリー」とフィラデルフィア郊外の『ハヴァフォード』の次の駅『クリスペン』にある別荘で過ごす時もよくある。ということで、この週末列車に乗って、先に行って待っている妻マリーと合流する予定でいます。
(①-4) 本作は、そんな列車の中の、景色の移り変わりと『新作原稿についてた写真』を見てからのテッドの気持ちの揺れから始まります。そんな彼の前に大学教授をしている友人「ウェルデン」が現れ、写真が消え、駅に到着。そこには車でお迎えの妻がいて・・・と始まります。夕食までと、妻と話していると・・・そこへ、近くの「デスパード家」から2人がやってきます。それが驚くような話の始まりだった・・・。
(①-5) 本作全体の構成は、大きく分ければ目次の全5章になっています(1 起訴 2証拠 3弁論 4説示 5評決)となっていますが、大人気のもう1つの側面は最後の最後についてくる「エピローグ」です。これについては後述します。
(なお、本記事中の画像は、自分で作成したものをのぞいて、『Pixabay』や『いらすとや』さんからです)。
(それでは続いて、ネタバレなしのミニあらすじです)
[ B ] どんな感じの小説? (ネタバレなしのミニあらすじです。時系列を少し変え、内容も多少脚本しています) ②の連番
(舞台は 1929年春、アメリカの、NY東70番台の通りのアパートメント(自宅)から、週末を妻と過ごすために、フィラデルフィア郊外の『ハヴァフォード』の次の駅『クリスペン』にある別荘と『デスパード・パーク』にある「マーク・デスパード家の屋敷」の周辺です)
②-1 ある週末、『ヘラルド・アンド・サンズ出版社』に勤める「編集者 エドワード・スティーヴンズ(以下、通称 テッド)」は、『編集長 モーリー』から「作家ゴーダン・クロスの最新作の原稿を読んできて」と言われます。ゴーダンは歴史上の殺人事件の裁判を題材にして再現してみせる人気作家で、いつも本の裏表紙には大判の自身の写真が載っています。
②-2 週末は時々、NY東70番台の通りのアパートメントからフィラデルフィア郊外の『ハヴァーフォード』の次の『クリスペン』の別荘で「妻 マリー」と過ごすテッドは、今も別荘に向かうため列車の喫煙席に座って窓の外の風景を見ています。クリスペンは、丘の斜面に、郵便局、雑貨屋、喫茶店、葬儀屋「J・アトキンソン」などわずか数軒の家がある所。そんなことを思いながら、彼はブリーフケースに入れてきた「ゴーダン最新作の原稿」を取り出します。そして第1章にクリップで止めてある「記事用の写真とその説明」を見て驚きます。(えっ?!) 友人の「大学教授 ウェルデン」とも出会いつつ、列車はクリスペンに近づきテッドも動揺しています。
②-3 駅では、「妻 マリー」が車クライスラーのロードスターでお出迎え。ハンドルを握る彼女の横顔と例の「写真の女性」と比較してみた。「君は、ゴーダンの本を読んだことがあるかい?」・・・やがて車は別荘についた。メイド「エレン」の夕食準備までさっき話の続きをしながら・・・そこへ、玄関のドア・ノッカーの音が・・・。
画像 「(時代は不明、クラシック)クライスラーのロードスター」(Pixabayから)
②-4 玄関を開けると別荘のすぐ近くの燐家『デスパード邸』とも言うべき屋敷から「現当主 マーク・デスパード」と「その友人 今はイギリスに住む元医師 トム・パーティントン(以下、「パット」とします)」の2人が立っていた。
銀のカップ 画像は 「keynote」で作成
②-5 やがてテッドは別荘の書斎で、マークとパットの2人から驚く話を聞かされる。『前年夏に亡くなったマークの伯父マイルズ(前当主)の死因は「胃腸病」とされていたが、「マイルズ伯父はある毒で殺されたのだ。ここでも、うわさが広がり・・・。それを確認したいのだ! 手を貸してほしい。4人の男手がいる」という。そして、その4人で敷地内で『伯父の棺がある 霊廟(れいびょう)』の封印をといて、その毒とやらが見つかるかどうか医学的に解剖を・・・棺には9つの結び目の紐(ひも)とかも入って・・・(マークの声が遠くなってきた。やれやれ、なんてこった! マリーはどっかで聞いてるかな? 今夜はここに帰れそうにないよ )
②-6 「伯父が死んだ夜・・・」とマークは屋敷にいる人たちのその夜の所在を以下のように(要約すれば)話し出す。(だれもが強固と見えるアリバイを持ってた!)
画像 「ランタン」(Pixabayから)
②-7 そういうわけで、今夜これからあることのために「4人の屈強な感じの男たち」が霊廟の前にそろう・・・「マーク、パット、使用人のヘンダーソン老人 そしてテッド」である。大きな音が出るし誰かが見てるかもしれん。霊廟の前では重たいものを取りのぞき、霊廟の中では息ぐるしくなるとマークが言うので「ランタン」ではなく懐中電灯が足元を照らす。やがて、マイルズ伯父の棺を・・・(おぅっっ!!・・・えっ〜〜〜っ!? そんな〜!)
画像は「いらすとや」さんから。(おぅっっ!!・・・えっ〜〜〜っ!? そんな〜!)
[C] 主な登場人物 ⑤の連番
(i) 『ヘラルド・アンド・サンズ出版社(Herald and Sons publishing house)』の関係者
⑤-1 NY東70番台の通りのアパートメント(自宅)から、週末を妻と過ごすために、フィラデルフィア郊外の『ハヴァーフォード』の次の『クリスペン』の別荘に向かう 編集者(本作の進行役的役割、いわゆるワトソン役も) : (テッド)ことエドワード・スティーヴンズ(Edward Stevens)
⑤-2 かっての歴史上の人物に似てる、エドワードの妻 眼は灰色 : マリー(Marie Stevens)
⑤-2-2 別荘で料理の準備などをするメイド : エレン
⑤-3 テッドの上司、『ヘラルド・アンド・サンズ出版社』の編集長。テッドにゴーダン・クロスの新作の原稿を読むようにと言う : モーリー
⑤-4 テッド(エドワード)の友人で、かつ、マークと知り合い。テッドが別荘に向かう列車の中でも出会う大学教授 : ウェルデン
⑤-5 歴史上の殺人事件の裁判を題材にして再現してみせる人気作家(true crimes author)。彼の出版された本の裏表紙には大判の写真が載っている : ゴーダン・クロス(Gaudan Cross)
( ii) デスパード家の人々
⑤-20 前年夏に亡くなったマークの伯父(前当主) : マイルズ・デスパード( Uncle Miles)
(注 : 「伯父」: 父母の兄や弟。また、父母の姉妹の夫。父母の兄には「伯父」を用いるが、「おじ・おば」でもよい。英語は両者とも「uncle(アンクル)」で同じ。
⑤-21 マイルズの甥(おい) でマイルズの弟の子供、現在の当主で弁護士 : マーク・デスパード(Mark Despard)
⑤-22 その妻。黒髪で眼は薄茶色、小柄 : ルーシー
⑤-23 マークの妹。茶色の髪に青い眼、やせている : イーディス
⑤-24 マークの弟。いろいろと策を使うのが好み : オグデン
⑤-25 マークの友人。でかってはイーディスと結婚していたが事情があって現在はイギリスに住む。元医師(a doctor) : (パット)トム・パーティントン(Partington)
⑤-26 使用人 : ジョー・ヘンダーソン老人
⑤-27 ジョー老人の妻で、家政婦(A housemaid) : アルシア・ヘンダーソン夫人
⑤-28 メイド : マーガレット
⑤-29 看護師(女性)、主にマイルズ伯父の隣室で世話を担当(水曜日は非番) : ミス・マイラ・コーベット
⑤-30 医師 : ドクター・ベイカー
(iii) その他の関係者
⑤-40 ヘンダーソン夫人が、マイルズの部屋にいたのを見たという『古めかしい妙な衣装』を着た謎の女性 : ?
⑤-41 かって、(パット)トム・パーティントンの診療所で働いていた女性 : ジャネット・ホワイト
(iii) クリスペンにある数軒の家
⑤-50 郵便局 : (名前は不明)
⑤-51 雑貨屋 : 同上
⑤-52 喫茶店 : 同上
⑤-53 葬儀屋「J・アトキンソン」 : ジョナ・アトキンソン・ジュニア
⑤-54 ジュニアの父 既に引退している : シニア
( v) かっての事件の登場人物
⑤-60 ゴーダン・クロスの最新小説の原稿につけられていた写真の女(1861年、殺人罪でギロチンにかけられた女) : マリー・ドブレー
⑤-61 火刑法廷も経て、1676年処刑されたフランスの女性連続(毒殺)殺人犯 : ド・ブランヴィリエ侯爵(アントワーヌ・ゴブラン)夫人
⑤-62 ド・ブランヴィリエ侯爵夫人の愛人で彼女に毒にまつわる技術を1から教えた男 : ゴーダン・サンクロワ
(以上は、だいたいwikiやネットの情報による)
( vi) 捜査関係者
⑤-90 フィラデルフィア市警察の本部長直属部門で働く警部 通称『フォクシー・フランク』 : フランシス・ゼイヴィア・ブレナン
⑤-91 ブレナンの指示で動く「デスパード家」の尾行担当 : バーク
⑤-92 刑事 : パトリッジ
[ D] 出版情報など
(この記事はkindle版に基づいています)
⑥-1 「火刑法廷(The Burning Court ) (新訳版) ジョン・ディクスン・カー(John Dickson Carr)著 加賀山卓朗訳 (ハヤカワ・ミステリ文庫) (2011/08/25)」 (電子書籍版は2015/3/25発行) (早川書房)
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火刑法廷[新訳版] (ハヤカワ・ミステリ文庫) 文庫 – 2011/8/25
[ E ] その他 最後の(第5章 評決)エピローグについて ⑦の連番
原作で読んだわけじゃないけど・・・。
⑦-1 本作の舞台はアメリカであるけれど・・・
(a)『別荘』・・・どこにある、などとは書いてなかったような・・・。
⑦-2 本作に出てくる妻と夫(夫婦)とかカップルの2人組は・・・
(b-1) 「マーク・デスパード」と「ルーシー」
(b-2) 今は離婚しているが「パット(トム・パーティンソン)」と「イーディス」
(b-3) 「ジョー」と「アルシア」のヘンダーソン夫婦
(b-4) 「テッド(エドワード・スティーヴンズ)」と「マリー」
となるので、どの2人とは一概には言い難いような、時空を超えてとなればさらにと・・・。
⑦-2 (感想) と言う感じでは・・・なんとも言えないような感じもあります。あえて書かなかったのかも知れず、いわゆる「含みを持たせた」のかも知れない。カー自身が、どこかで解説していてくれればいいのですが・・・ひょっとしたら雑誌『EQ』の特集か何かに載ってたかもしれません。
[ F ] その他
参考 ノン・シリーズの長編シリーズ (★印はkindleありで記事も済み)
(1) 🎉(☆仮) 毒のたわむれ(Poison in Jest ) 1932
(2) 🎉(☆仮) 弓弦城殺人事件(The Bowstring Murders) 1933
(3) ㊗️(本記事) 火刑法廷(The Burning Court) 1937
(4) 🎉(☆仮) 第三の銃弾(The Third Bullet) 1937
(5) ㊗️記事済み 皇帝のかぎ煙草入れ(The Emperor's Snuff-Box) 1942
(6) (☆仮) 九つの答(The Nine Wrong Answers ) 1952
(7) バトラー弁護に立つ(Patrick Butler for the Defence) 1956
(以上です、wikiなどによる)
以上です
続きは次回です!