ロジャー・ムーア登場 死ぬのは奴らだ 〜 ジェームズ・ボンド(8)
[A] [ネタバレなしの超ミニあらすじ〜多少、文章は脚本ではなくアレンジ版です ] (採番は①のサブ連番から) 採番は①から
①-1 イギリス諜報部の人間が、カリブ海の島国で次々と殺される事件が発生。彼らがさぐっていたのは、「首相 Dr.カナンガ」が支配する『サン・モニーク』国。どうやら、あるシンジケートがらみだったらしい。
①-2 ニューヨークへと飛んだボンドは、アメリカの情報局CIAの親友「フェリックス・ライター」とコンタクトをとり情報交換する。するとそこには「ハーレムの大物Mr.ビッグ」なる人物が浮上する。
①-3 Mr.ビッグを追ううちに、彼はDr.カナンガとの関連性を見抜く。そこには『ブードゥー教』と『麻薬シンジケート』の接点も浮かび上がってきた。さらには、彼の背後には、霊能力を持つという神秘的なタロットの美女「ソリテア」の存在も見えてきた。ボンドは彼女に接近する。
①-4 おどろおどろしたお白粉(おしろい)を顔に塗った男が強烈なドラムのリズムにのって踊り、鳥の足が女のお腹の上を這(は)っていった。そしてやがてそれらはある物を必要とする特異な世界と空間へと入っていった。音と踊り、それは恍惚を呼んだ。他方、ボンドは追い続けていた・・・。典型的とも見えるアメリカの保安官「ペパー」はパトカーに乗って口を膨(ふく)らませて叫ぶ。川だ?! ボートは・・・?
[B] [ 本作の主な出演 〜 役名や俳優名はややあいまいな場合があります] (採番は②のサブ連番)
②-1 任務に向かう3代目ボンド(James Bond) : ロジャー・ムーア(Sir Roger Moore)、TVドラマ「セイント 天国野郎(The Saint)、サイモン・テンプラー(セイント)役」、TVドラマ「 ダンディ2 華麗な冒険(The Persuaders!)、ブレット・シンクレア卿役」、 TVドラマ「エイリアス(Alias)、エドワード・プール(ゲスト出演)役」、 「(1981年映画版) キャノンボール(The Cannonball Run)、チーム007「アストンマーティン・DB5」のシーモア・ゴールドファーブJ役」。
②-2 タロットカード占いの女、ソリテア(Solitaire) : ジェーン・シーモア(Jane Seymour) 。
②-3 Dr.カナンガ(Kananga)/Mr.ビッグ(Mr. Big) : ヤフェット・コットー(Yaphet Kotto)、「(1968年、映画版) 華麗なる賭け(The Thomas Crown Affair)、カール役」、 「(1979年映画版)エイリアン (Alien)、機関長デニス・パーカー役」。
②-4 顔に白い白粉を塗って踊る男、サメディ(Baron Samedi) : ジェフリー・ホルダー(Geoffrey Holder)
②-5 ペパー保安官(Sheriff Pepper) : クリフトン・ジェームズ (Clifton James)、「007 黄金銃を持つ男 (The Man with the Golden Gun)、同役」、 「(1987年映画、ショーン・コネリーらが出演)アンタッチャブル (The Untouchables)、地方検事役」、 「(1980年映画版) スーパーマンII(Superman II)、保安官役」。
②-6 ボンドたちに協力する、米国諜報機関 中央情報局(Central Intelligence Agency、CIA) フェリックス・ライター (Felix Leiter) : デヴィッド・ヘディソン(David Hedison)、「007/消されたライセンス(Licence to Kill)、同役」。
[C] [ 出演 ほぼいつものレギュラー陣 〜 各話に出てなくとも表記しております (採番は⑨から)
⑨ 組織については、初期は『英国秘密情報部(O.H.M.S.S.、On Her Majesty's Secret Service)』などと作品の進展に従って変遷(へんせん)してきているが、とりあえずここでは『MI6』としておきます。当初のビルも『ユニバーサル商事(Universal Exports)』とされていましたが最近では実際の『MI6』のビルが撮影上も使われています。
⑨-1a 英国情報機関、秘密情報部(当初は『MI7』であったが、シリーズの途中からSecret Intelligence Service、MI6)の諜報部員007 ジェームズ・ボンド(James Bond) 役を演じた3代目ボンド> : ロジャー・ムーア(Sir Roger Moore)。(a)ボンド登場時(当時45歳)はコネリーよりも3歳年長である。(b)頭髪は黒髪ではなく『栗毛色』。
⑨-1b (c)ボンドのトレードマークだった飲み物も『ドライ・マティーニ(強い透明な辛口カクテル)』は注文しない。ショーン・コネリーの時のオーダーの時の決め台詞(せりふ)として流行となった『Vodka Martini. Shaken, not stirred.([ジンではなく]ウォッカマティーニを。[さらに]ステア[stir 、スター、軽くかき混ぜる]の意]せずにシェィク[よくバーなどてバーテンダーが容器に色々入れて両手で持ちながら振って作ってグラスに注ぐという、振って混ぜ合わせる方式]で)』も使われなくなった。(d)タバコではなく葉巻の愛煙家。車も『アストンマーティン』に乗らない。(e)しかし、ロジャーは『クイーンズイングリッシュ(国王の場合はキングズ〜)』をしゃべる。ごくごく大ざっぱに言えば、クイーンズイングリッシュとは、「RP : received pronunciation」という寄宿学校で生まれた発音から広まったと言われている上流階級で主に使われていた発音から発達して、かってはエリザベス女王や王室で使われていた公式アナウンスなどでの発音方法、ということらしい。
⑨-1c 今回のボンドは原作とはちがうイメージということで話題となっていましたがショーン・コネリーのイメージと如何に違いを出すかという観点はもちろん、もともと本作は原作小説で第2作目であり、すでにいろいろ状況設定は変化しているため、苦作の脚本や映画化ということで、それ相応の違いがあちこちで出てくるのもやむを得ないところかな、と思います。
⑨-2 ボンドの上司、同情報の部長「M」(M.) : バーナード・リー(Bernard Lee)、「第三の男 (The Third Man)、ペイン軍曹役」。ちなみに甥(おい)は、俳優「ジョニー・リー・ミラー(Jonny Lee Miller)、TVドラマ[エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY(Elementary)のシャーロック・ホームズ役]」など。(変更なし)
⑨-3 Mの秘書、ミス・マネーペニー(Miss Moneypenny) : ロイス・マクスウェル(Lois Maxwell)、TVドラマ「謎の円盤UFO(UFO)、ストレイカー司令官の秘書ミス・ホランド役」。(変更なし)
⑨-1 ブースロイド少佐(Major Boothroyd)(のちに「Q」) : [①本作から] デスモンド・リュウェリン(Desmond Llewelyn) 。 [②前作]ピーター・バートン(Peter Burton)、「007/サンダーボール作戦 (Thunderball)、RAF Officer in Car役(クレジットなし)」、TVドラマ「セイント 天国野郎(The Saint、作品The Gadget Lovers の回)、Claude Molliere役」、「謎の円盤UFO(UFO)、 Dr. Murray役など」。(変更なし、本作出演者リストにない)
⑨-1 Mの首席補佐官で、参謀総長(幕僚長、本部でMの作戦チームから現場にいるボンドやその他の作戦チームのスタッフへ指示を与えてオペレーションが円滑に進むよう指揮などを行う人)、ビル・タナー(Bill Tanner) : 本作では登場なし (『007 黄金銃を持つ男(The Man with the Golden Gun)』や『007 ユア・アイズ・オンリー(For Your Eyes Only)』、そして近年の作品などに登場)。(変更なし)
⑨-20 ボンドたちに協力する、米国諜報機関 中央情報局(Central Intelligence Agency、CIA) フェリックス・ライター (Felix Leiter) : デヴィッド・ヘディソン(David Hedison)、「007/消されたライセンス(Licence to Kill)、同役」。 (ライターを演ずる役者さんはシリーズを通してわりと頻繁に変わります)。時には前作のように『CIAを退職してピンカートン探偵社』に入っていることになってたりする。
[D] スペクター(SPECTRE)のNo.1 エルンスト・スタヴロ・ブロフェルドらは、前作『007 ダイヤモンドは永遠に(Diamonds Are Forever)」の終了時点で(著作権問題などもからみ)一旦出なくなりますが、ここでは残しておきます(いずれまた復活するため)。 (採番は⑬から)
⑬-1 巨大な謎の犯罪組織『スペクター(SPECTRE)』 : 『防諜・テロ・復讐・恐喝のための特別機関(SPecial Exectutive for Counter-intelligence, Terrorism,Revenge and Extortion)』という謎の国際的な犯罪組織。
⑬-2 『スペクター』のトップにいると言われている謎の男、エルンスト・スタヴロ・ブロフェルド(Ernst Stavro Blofeld) : 作品によって俳優も異なる上、ペルシャ猫を抱いているが顔を隠している男として出演 (次作以降に出演などがある場合、個別に記載するかもしれませんが、声の出演は別ということもあり)。ちなみに、原作小説では、ラルゴが1号(SPECTRE's No.1)、ブロフェルドが2号(同No.2)だが、映画ではブロフェルドが1号、ラルゴは2号となっている。
⑬-3 本作の(SPECTRE's No.1)ブロフェルド(Ernst Stavro Blofeld) : 作品によって演じる役者は異なる。
[E] 本作の基本情報 (採番は1行目をのぞいて、③〜)
(8-⓪⓪⑦) [先頭の数字は、シリーズのseq] 原題は「Live And Let Die」。 主人公ジェームズ・ボンド(James Bond)役は再登板の「ショーン・コネリー」が降板して、3代目を新しくロジャー・ムーアが演じることに。
③-1 『女王陛下の007(原題: On Her Majesty's Secret Service)』でのジョージ・レイゼンビーの後を、第7作目の『ダイヤモンドは永遠に(原題: Diamonds Are Forever』で再登板で演じたショーン・コネリーは、それでも、再び降板してしまう。ということで、ボンド役が変わり、本作『死ぬのは奴らだ(Live And Let Die)』からは、少しコメディ・タッチも増えた、どちらかと言えば優しい大人のボンドシリーズと言っても良い内容が続くが、原作小説は「イアン・フレミング(Ian Fleming)」のシリーズ第2作目という長編小説である。タイトル「Live and Let Die」は英語のことわざ「Live and let live」をもじったものらしいです。
[F] 本作の 製作(監督)・音楽担当などの情報 (採番は⑭から)
⑭-1a 製作は、イアン・フレミング(Ian Fleming)原作の同シリーズの映画化権を既に獲得していたハリー・サルツマン(Harry Saltzman)と、アメリカの「アルバート・R・ブロッコリ(Albert R. Broccoli)」が設立した『イオン・プロ(Eon Productions Ltd.)』の共同製作。英米合作となっています。
⑭-1b ちなみに、現在、日本でも弁当や食卓などで野菜として食べられることの多い『ブロッコリ(Broccoli)』は、「パスクァーレ・デ・チッコ」がリトアニアからアメリカに持ち込んだといわれているが、この人物の甥(おい)がアルバート・R・ブロッコリであり(彼の伯父がパスクァーレ・デ・チッコ)とされている。
⑭-2a 監督は、本作も「ガイ・ハミルトン(Guy Hamilton)」。彼の監督作品としては、シリーズでは他に、『ゴールドフィンガー(Goldfinger)』、『ダイヤモンドは永遠に(Diamonds Are Forever)』、 『黄金銃を持つ男(The Man with the Golden Gun)』などがある。007シリーズ以外では、ピーター・ユスティノフ(Sir Peter Ustinov)版ポワロの映画シリーズのうち、「地中海殺人事件(Evil Under the Sun、アガサ・クリスティの原作小説のタイトルは『白昼の悪魔』)」などがある。
⑭-3a 音楽担当は、本作は「ジョージ・マーティン(Sir George Martin)」であります。主題歌は「ポール・マッカートニー&ウイングス(Sir Paul McCartney & Wings)」の歌った同名タイトル曲(すなわち、『死ぬのは奴らだ(Live And Let Die)』,1973年」です。元ビートルズのポール・マッカートニーと彼の奥さん「リンダ(Linda)」と「デニー・レイン(Denny Laine)」らのメンバーからなるバンドとしてのウイングス、そしてビートルズの多数の作品のプロデューサーを務めてきたジョージ・マーティンという組み合わせになります。
[以下の内容はほぼ変更がありませんので、スキップできます。]
⑭-3b よく知られている、オープニング・クレジットで主題曲より前に流れるボンドのテーマ曲は、「モンティ・ノーマン(Monty Norman)」の『ジェームズ・ボンドのテーマ(James Bond Theme)』です。彼はIMDBなどでは「Monty Norman composer: 'James Bond' theme (as Monte Norman)」と表記されています。
⑭-4a タイトル(オーブニング・クレジット)・デザインを担当したのは「モーリス・ビンダー(Maurice Binder)」で、有名な、銃口の中にボンドが出てくる『ガンバレル・シークエンス(Gun barrel sequence)』や『女性のシルエットが画面の上下左右を流れたり飛んだり跳ねたりしているシーン(そこに色々追加シーンも合わさる)』も担当した。
⑭-6a 制作側も観客側もある意味共用していたみたいな、007シリーズを通してある一定の型があって、その順序で映画が始まり進んでいくと予測できるということがある。『ガンバレル・シークエンス(gun barrel sequence)sequence』でボンドが銃を構え、『プレタイトル(アバンタイトル)・シークエンス(pretitle、avant-title sequence』で(本編と関係のある場合とない場合があるが)ミニ映画が続き観客は準備ok、それから『タイトルの主題歌や映像がオープニング・クレジット(Opening credits)』として流れ、いよいよ『本編』最後に『エンディング・クレジット(Closing credits, End credits)』という1つのレシピみたいな構成がありました。
[記事連番 jb08]
以上です! では!!